新型コロナを機に、大学でも急速にオンライン授業に注目が集まるようになった。
たしかに、新たな可能性があり、この機会に使えるものは、積極的に取り入れていきたい。この点は、すでに実践されている多くの先生方から、謙虚に学んでいかなければならないと思っている。また、新たな発想を加え、より面白いもの、より効果的なものにしていく挑戦は続けていこうと思う。
一方で、オンラインですべてがうまくいくかと言うとそうではない。また、今のテクノロジーに対して、個人的には懐疑的に思っている。そもそも、オンライン授業を取り巻く環境はまだまだ遅れているし、できることも限られている。
とりわけ、これがかつてのアクティブラーニングブームのように(今もそうかもしれないが)、オンライン授業礼賛のような雰囲気になってしまうことに危惧を覚える。アクティブラーニングも、オンライン授業も手段の一つに過ぎない。こうした手段が目的化されてしまうことは本末転倒であり、自分も含め、前のめりにならないよう気をつけなければならない。
したがって、オンライン授業にのみ盲目的になるのではなく、それ以外の手段にも視野を広げていく必要もあると思う。たとえば、学生の読書離れ、活字離れを危惧しているある先生は、この機会だからこそ、これまで以上に読書課題を与え、読書の習慣をつけさせることが重要ではないかとおっしゃっている。こうしたアカデミアの世界で脈々と続けられてきた従来の古典的な方法こそ、少し工夫をすれば、よっぽど高い学修効果が得られるわけであり、前のめりにになり過ぎて、そうした点を見失ってはならないだろう。
重要なのは学生たちの学修効果であり、その目的のための手段を、今後も広い視野を持って、幅広く勉強させていただければと思う。
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